コティリエ在宅医療・訪問歯科ニュース
都会と田舎で在宅医療ができることは

田舎暮らしという言葉をよく聞くようになり、若い人や定年後のセカンドライフとして田舎に移住する人が増えてきているようです。
都会の忙しい日常から離れて、空気の新鮮な自然に囲まれた環境、都会で気つかない人々のあたたかみなど田舎暮しに憧れているのです。
しかし、実際の人口推移を見ると2014年には青森、秋田の人口減少が最も大きく仕事もある都会の東京、埼玉などへ人が集まるようになってきています。
田舎を求め移住していく人より、仕事、便利さを求め都会へと移動して往く人が多いのが現状です。
地方には、若い家族がいないので子供が生まれず高齢化が進み支える人がいなくなります。
そのため田舎では高齢化というのが深刻な問題となっています。
医療に従事する数においても、都会では民間の事業者が多いのですが、田舎となるとそうはいきません。
都会では高齢者を支えるサービスが豊富で、利用者が多すぎるためにそういったサービスを利用できない方もいるくらいです。
在宅医療の現場でも選択肢は多く、患者様に合わせた在宅医療チームを構成することも容易です。
しかし田舎となると在宅医療を利用するときでも、選択肢が狭まってしまいます。
交通手段の差でも都会と田舎では格段の差があります。
都会では車を始めバイク、自転車、徒歩、また公共の交通機関が充実しています。
複数訪問するケースでも前の訪問で時間が遅れてしまっても、都会であれば交通網の発達により、大幅な遅れはないのですが、田舎ではそうはいきません。
田舎では1軒1軒の距離があるため、また利用できる交通機関も限られているために、早急な対応ができないことがあります。
ましてや必要と思われる訪問の回数をこなすことが困難なこともあります。
都会と比べて田舎での在宅医療を利用することは難しいのでしょうか?
田舎の利点として、近所付き合いの多さがあります。
都会では地域の交流が希薄になり、隣の住人でさえも誰が住んでいるのかわからないことも多い中、田舎は地域住民のいわゆる井戸端会議などで近隣との情報交換が盛んです。
ですので、どこどこの家には誰が住んでいて、家族は何人いてと常に近所の気配りができています。
もし万が一のことがあっても呼びかけひとつで近所の人が助けに来てくれます。
都会では近所に沢山の医院があるため病状によって使い分けができたり、選択肢の幅が広がり、かかりつけの医者という感覚が出来てきました。
一方田舎ではそもそも病院、診療所が限られているために、都会のように選べる病院の数がないので、都会で暮らしているとかかりつけの医者を探しましょうという類の案内はありません。
お互い顔を知っている田舎の環境では、在宅医療チームと家族の間には強い信頼関係があります。
地域との深い関わりがあるので患者様が不安なときは、医療チームだけでなく、近所の人に支援を請うこともできます。
地域が一体となって支援ができるのです。
在宅医療チームも行政の高齢福祉課や保健センターが担当することが多く、民間の参入が出来ない状況があります。
民間が参入できるほど、需要がないからです。
複数の事業所で結成された医療チームではないのですが、一番の利点として訪問した後、気になることがあれば直ぐ顔を見てチームで話し合い、調整することが出来るのです。
ワンストップで出来る体制が整っています。
急に体調をくずしても、かかりつけの医者がすぐに迎えない時でも、訪問看護で訪問ができないかを打診し、調整することが出来ます。
高齢化問題は都会でも田舎でも深刻化しています。
地域住人と協力して地方の在宅医療の現場では、高齢者に対する適切なケアを提供することがより良い在宅医療の提供につながることも考えられます。