ニュース・コラム一覧

老々家庭の医療と支援

１　現状と展望　先般国が発表した最新の調査によると、いわゆる老々家庭が推定で約１，２８０万世帯、世帯全体の２５パーセントを超えたということでした。その調査結果から浮かび上がってくることは、地域格差がますます拡大し、高齢化が先行している地域では、老々世帯の割合は半数を超え、６割、７割に達するところもあるのでないか...

障害のある高齢者の医療と支援

１　現状と展望　　平成22年の国勢調査やその他の資料によると、在宅で暮らす障害者（身体障害、知的障害、精神障害）の割合は人口比約5.8％、推定で約６８７万人です。このほか難病患者もいるわけです。年代別に分けた統計がないので推定が難しいのですが、かなりの数の障害のある人が地域で在宅の生活をしていると思われます。これら...

深刻化する人手不足

看護師不足は、慢性的に続き離職率も横ばいで2014年は10.8%（前年比0.20%減）となっています。新人看護師の離職率は7％となっており、診療報酬改定で看護師の規定も変わって来ています。 2016年度診療報酬改定では、看護師の必要度の見直しも行われています。在宅医療については、「地域ケアシステムの構築」課題...

最期の時をどこでむかえるか

日本では高齢者の急増により在宅医療のニーズが高まっています。多くの人は最後を迎える場として、住み慣れた自宅を希望する事が多いです。ただ現実には住み慣れた自宅ではなく、病院で最後の時を迎える人が８割に達します。昭和５０年までは、病院で看取られるよりも自宅にて最後を迎えることが多かったのですが、この時期を境...

認知症を支える家族と医療チーム

誰だっていつまでも健康で長生きをしたいと願うことでしょう。介護を必要とせず自立した、介助の要らない生活を送れる期間のことを健康寿命といいます。また年をとって認知症を発病したり、介護が必要となる期間や年数のことを介護年数といいます。 2014年における男女の平均寿命は、80歳を超え男性80.50歳、女性...

情報の共有で適切な支援を

在宅医療チームには、色々なメンバーいます。かかりつけ医、訪問看護師、訪問薬剤師、PT（理学療法士）、OT（作業療法士）、ケアマネジャー、訪問介護ヘルパー、ディケア職員など様々な人が患者さん、その家族を支えています。かかりつけ医は一人ですが、看護師やヘルパーは主担当を決め支援していきますが、他の看護師、ヘルパ...

都会と田舎で在宅医療ができることは

田舎暮らしという言葉をよく聞くようになり、若い人や定年後のセカンドライフとして田舎に移住する人が増えてきているようです。都会の忙しい日常から離れて、空気の新鮮な自然に囲まれた環境、都会で気つかない人々のあたたかみなど田舎暮しに憧れているのです。しかし、実際の人口推移を見ると2014年には青森、秋田の人口減少...

単身者の心と心をつなぐ在宅医療

在宅医療チームは、かかりつけ医、訪問看護、訪問介護ヘルパー、ディサービスそして、ケアマネージャーで、訪問介護ヘルパーは複数人で支援していることもあり、連絡ノートが置かれています。そのノートはチームでも記入し、またご家族の方からも記入があったりもします。ある日、訪問するとAさんの家の連絡ノートに息子さんからの...

ご家族と話すことで適切なケアに向けて

病院での療養との難点として、病院だと一人になりたくても同室者が居てプライバシーの確保が難しかったり、看護師が病室を出たり入ったりと落ち着きません。自分自身の時間が持てず、自分の生活リズムが狂ってしまいます。朝もう少しゆっくりしていたくても看護師の検温があったり、突然のお見舞いに来てくれる人があったり自分で自分の...

在宅医療が地域とのつながりの架け橋となる

在宅という言葉を調べると、ご存知の通り「外出せず自分の家にいること」という意味があります。用法としては在宅ワーク、在宅医療といった言葉が近年ではよく目にするのではないでしょうか。最近の時代の変化の表れとして、家で暮らす家族構成に変化が見られます。日本の家族構成の例えとして国民的アニメのサザエさん一家を見...

やりがい

2025年の超高齢化社会を前に在宅医療は注目され期待されています。訪問看護ステーションは、その在宅医療チームの中からも期待されている存在です。地域やその患者さん一人一人の症状にそった在宅医療を提供できるのが理想的です。訪問看護ステーションは看護師が開業できます。実際病院勤務で忙殺され、患者様とじ...

在宅医療のパイプ役ケアマネジャー

介護保険制度は、65歳以上で寝たきり・認知症などで、入浴・排泄・食事などの日常生活動作について介護が必要になった方や家事や身じたくなどの日常生活に何らかの支障が出てきて、サービスを利用したいという場合に利用できます。 40歳以上64歳以下（介護保険第2号保険者）でも利用できますが、決められた疾病（16種類）が原因...

在宅医療におけるチームとの関わり方

在宅医療の現場では、昔は患者様に対して担当医が往診と看護師が訪ねるというのが常でしたが、現在は多くの専門職のが訪ねるようになりました。具体的には理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、薬剤師、歯科医師など、それらに加えてケアマネージャー、介護士福祉士、ホームヘルパーが含まれます。これら複数の専門職が在宅チームと...

在宅医療と自宅での看取り

１　高齢化日本は、世界の中でも群を抜いて高齢化社会に突入しています。国民皆保険の下、女性の平均寿命が86歳（世界2位）、男性の平均寿命が79歳（世界9位）で、65歳以上の高齢者数をみると、東京オリンピック・パラリンピック後の2025年には、3,657万人（対人口比24.0％）となり、2042年にはピークを迎...

神経難病患者の在宅医療における３つのケア

パーキンソン病や筋萎縮性側索硬化症をはじめとする神経難病は、進行性であってもその病状が安定していることが多く、また療養期間が長期に亘るため、多くの患者が在宅で療養しています。そこで、神経難病患者の在宅医療の現状を、身体的ケア、精神的ケア、社会的ケアの３点から考えてみます。まず、身体的ケアでは、合併症の併発や...

訪問看護のあり方

　２０００年以降、８割の人が病院で亡くなるというデータがあります。病院で生まれ、病院で死ぬ。多くの人々がそう思っています。しかし、患者とその家族の願いは、出来れば住み慣れた自宅で、穏やかに息をひきとりたい。看取りたい。そう望んでいる人が多いのです。そういった願いを叶える方法として、在宅療養があり、予防、医療...

在宅ケアに向けて

　現代、医療技術の発展により、人工呼吸器や酸素療法など開発され、「命」だけは、助かるようになりました。そのため、まずは「命」を救うために、医療機器が整っている病院に入院します。多くの人が、そのまま病院でしか亡くなれないと思い込んでいます。そして、さまざまな医療機器を付けられ、器械に囲まれての死を思い浮かべます。 ...

医療と福祉の連携

ある家族に起きたケースについて考えてみましょう。今年50歳になり働き盛りで一家の大黒柱であるA太郎さん、会社では課長職に抜擢され忙しい日々を送っていました。ある日曜日、久しぶりに家族みんなでドライブに行くことにし、朝食を終え準備をしようと立ち上がったとたん、フラフラと倒れこんでしまいました。奥さんのB子...

神経難病患者の在宅医療と介護保険

2005年の厚生労働省の特定疾患の疫学に関する調査報告では、特定疾患と認定された40歳以上の患者総数（184,098人）の約31.6％が神経難病と認定されている。中でも多いのがパーキンソン病で、神経難病患者の51.3％にも上る。次いで、後縦靱帯骨化症（16.5％）、脊髄小脳変性症（11.8％）、多系統萎縮症...

在宅医療とターミナルケア

病気や老衰などで余命が残りわずかとなった方へ行うケアをターミナルケア（終末期医療）といいます。厚生労働省は終末期医療の決定プロセスに関するガイドラインを2007年に出しており、人生の最後をどのように迎えるかは、本人や家族の意思を尊重することがここで示されています。また、在宅療養中で回復の見込みがない患者を自...